没落したオランダ代表とノキアの携帯。世界を席巻した後に落ちた地獄 - サッカー魂
没落したオランダ代表とノキアの携帯。世界を席巻した後に落ちた地獄
没落したオランダ代表とノキアの携帯。世界を席巻した後に落ちた地獄 10/14(土) 17:11配信
W杯予選敗退後、ロッベンは代表引退を表明した photo by AFLO 10月10日、つまりオランダvs.スウェーデンの試合があった日のフォルクスクラント紙には、「ノキアの3310とオランイェ(オランダ代表の愛称)の4−3−3を比較する」という記事が掲載された。「3310」とは、世界中で愛用された携帯電話の名機種のこと。「4−3−3」とは、オランダサッカーの代名詞とも呼べるフォーメーションだ。
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「オランダサッカーの凋落とノキアの没落は、驚くほど似ている」。フォルクスクラント紙はそう主張するのである。
2008年の第1四半期、携帯電話におけるノキア社の世界マーケットシェアは46.7%にも及んだのだという。それが2013年の第2四半期には3.2%まで落ち込んでしまった。一方、オランダ代表のFIFAランキングは2008年に3位だったのが、今年になって29位まで落ちてしまった。
サッカー界にもビジネスの世界にも詳しい元ズヴォレ会長のガストン・スポーレ氏は、「ノキアの3210、3310、6610は、オランダサッカー界のフリット、ファン・バステン、ライカールトのようなものだ」と皮肉るようにコメントしている。
オランダ、そしてノキアのあるフィンランドは、欧州のなかの小国だ。「ホーラント・スホール(オランダ派)」と命名されたオランダ独自の攻撃サッカーは、すでに相手チームにとっては対策の練りやすいオールドファッションなスタイルになってしまった。ノキアはi Phoneやアンドロイド勢の力を過小評価し、独自のOSにこだわって危機に陥った。
小国のサッカー/通信端末会社が技術革新の潮流に負けてしまったのだ。
話をオランダサッカーにフォーカスする。危機的状況なのは、代表チームだけではない。アヤックス、PSV、ユトレヒトがヨーロッパリーグ予選・プレーオフで敗れ、現在ヨーロッパの舞台に残っているのは、チャンピオンズリーグのフェイエノールトと、ヨーロッパリーグのフィテッセのみ。ちなみにこの2チームも、いまだ勝ち点ゼロだ。
かつてオランダサッカー界には、「暗黒の80年代」と呼ばれた低迷期があった。1982年ワールドカップ、1984年ヨーロッパ選手権、1986年ワールドカップと3大会連続でビッグイベント出場を逃してしまった。
しかし現在、オランダでは「80年代より今の状況のほうがひどい」と言われている。当時のオランダはルート・フリット、マルコ・ファン・バステン、フランク・ライカールト以外にも、ジェラルド・ファネンブルグやクーマン兄弟といった将来のスター候補たちが育っていたのだ。それが1988年に花開くと、PSVがチャンピオンズカップを獲得し、オランダ代表がユーロを制した。その30年前と比べると、今のオランダの中堅・若手選手たちはかなり心もとない。
チャンピオンズリーグもヨーロッパリーグも勝てなくなった。国民的なスター選手もいない。それでも、オランダリーグのスタジアムはかなり埋まっている。フォルクスクラント紙の記事では、こうした状況についてガストン・スポーレ氏が「オランダにはすばらしいスタジアムがある。かなり多くの試合が満員になる。おかしなリーグだ」とコメントしていたほどだ。 前へ12次へ 1/2ページ
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