【インタビュー】松井大輔、36歳の海外再挑戦。「全然、重大な決断じゃない」 - サッカー魂
【インタビュー】松井大輔、36歳の海外再挑戦。「全然、重大な決断じゃない」
【インタビュー】松井大輔、36歳の海外再挑戦。「全然、重大な決断じゃない」 10/2(月) 20:50配信
ポーランドのオドラ・オポーレでの挑戦をスタートさせた松井大輔 人生を変えた選択 #1 松井大輔ピッチの中でも、そして外でも。一つの選択がサッカー人生を大きく変える。勇気、苦悩、後悔……決断の裏に隠された様々な想い。海の向こう側へと果敢に挑んだ選手たちに今だからこそ語れる、ターニングポイントとなった「あの時」を振り返ってもらう。
インタビュー・文 久保佑一郎(footballista編集部)
「いや、そんなことないですよ」
誰もが驚いた、36歳での海外再挑戦。さぞ強い決意をもって今回の移籍を決めたのだろう――そんな返答を予期し、どう話を広げていこうかと考えながら投げかけた「今回の決断は、人生の中でも大きな選択だったのでは?」という問い。ところが、こちらの勝手な想像を、彼はあっさりと否定した。
「この世界って、少なからず悔いを残して辞めていく人がほとんどじゃないですか。ましてや、36歳になって欧州に行くなんて人はいない。だから周りから見れば驚くことだったかもしれないですけど、自分としてはこっち(欧州)でやりたい。だから来た、って感じで」
電話越しに聞こえてくる声には力みも迷いもなく、いたって自然体。飄々としていて、ピッチに立てば巧みな足技で颯爽と相手を抜き去る――それはまぎれもなく、誰もが知るあの松井大輔だった。
振り返れば、彼はいつだって挑戦を続けてきた。高校生で親元を離れ鹿児島実業に進学。同世代の多くが新入社員として社会に出る23歳で、日本人選手にとって未知の舞台だったフランスへ。ルマンでは「太陽」と称される大活躍でチームの中心選手となった。さらに、必要とされればロシア、ブルガリア、ポーランドへも飛んだ。
「これまでもそんなふうに決めてきて、今回も一緒。だから『ビックリした』とか『凄いね』とか言われても、僕の中ではピンと来ないっていうのが正直なところなんです」
とはいえ、最初の欧州挑戦時とは置かれた状況がまるで違う。年齢もさることながら、それ以上に大きな変化が、「日本に残してきている」家族の存在だ。
「家族は割とすんなり理解してくれました。とはいえ周りの人も含め迷惑をかけてしまいましたし、いつまでも子供みたいだなって、変わらなきゃいけないのかなって思うこともあります。けど……」
それでも松井を駆り立てたものとは?
「こっち(欧州)はもう、YESかNOかの世界。それはサッカーに限った話じゃなくて。日本人にはそうじゃない方が良いって人の方が多いかもしれないんですけど、自分には合ってる。居心地がいいんです」
10年間に及んだ一度目の挑戦で肌身に染みわたった、欧州の価値観。それが松井の背を押した。
そんな松井の選択を、周囲の人間はどう受け止めたのか。「急に決まったので、相談したりする時間はあまりなかった」中、事前に相談できたのは「俊さん(中村俊輔)くらい」だった。
松井同様、長らく海外に身を置き現在は家族を持つ中村との間で交わした会話について聞くと、これまでの報道にはなかったエピソードを聞かせてくれた。
「最初は『やめた方がいいんじゃないか』って感じだったんです。(9月に誕生した中村の)5人目のお子さんのことも聞いていて、『大変なんだよ』って話したりもしていたので。でも、最終的には『いいんじゃないか、お前らしくて』って言ってくれました」 次ページは:“欧州仕様”への再適応「自分が思っていた以上に忘れていたんだなって気づかされました」 前へ123次へ 1/3ページ
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